社員が楽しむ仕事で未来を拓く ― 住倉鋼材株式会社

住倉鋼材株式会社
代表取締役社長 山下 隆 様
1972年8月生まれ

福岡県北九州市出身。6代目社長として住倉鋼材を率いる。「この会社に入って良かった」と感じられる組織を目指し、「楽しむ仕事が未来を変える」という新たな経営理念を掲げる。会議ゼロ化やDXの推進による業務効率化をはじめ、変化と挑戦を恐れない姿勢で、常に新たな風を吹き込んでいる。

「この会社に入ってよかった」——その言葉が自然と生まれる職場をめざして。

北九州に拠点を構える鋼材加工メーカー、住倉鋼材株式会社様。
6代目として社長に就任した山下氏は、社員の声に耳を傾けながら、会議ゼロ化やDX推進などの大胆な改革を次々に実行してきました。一見すると「鉄を扱う堅い会社」という印象をくつがえすような、カフェのようなオフィスやフリーアドレスの働き方。そしてその根底には、「楽しく働くことこそが未来を変える」という強い信念があります。

社員の可能性を最大限に引き出すため、山下社長が取り組んだのが、イジゲングループのポテンシャルクラウドの導入。今回はその背景にある想いや、取り組みの成果、そしてこれから目指す未来について、お話を伺いました。

 

建築・土木を支える鋼材加工メーカー
プロパー初の社長として、社員が誇れる会社づくりを牽引

— 住倉鋼材様の事業内容と、業界内での特徴について教えてください

住倉鋼材は北九州市に本社を構える鋼材加工メーカーで、鉄の材料を仕入れて「曲げる」「溶接する」「組み立てる」といった加工を施し、主に建築・土木向けの加工品として納品しています。一部、自動車向けの材料も取り扱っており、販売と製造の両方を担っているのが特徴です。最近では、人手不足の現場に対応するため、あらかじめ工場で加工した部品を納品する先組加工にも力を入れています。

また、業界としては比較的保守的なイメージがある中で、当社は会社全体のアップデートにも積極的に取り組んでいます。2025年4月にはオフィスを大きくリニューアルし、レトロなレンガの外観に対して、中はカフェのような雰囲気。音楽が流れる空間で、フリーアドレスのスタイルを採用し、役職に関係なくフラットに働ける環境をつくっています。

住倉鋼材様の加工現場の様子

— 社長に就任された経緯や、リーダーとして大切にしていることについて教えてください

私は7年前、46歳のときに当社の社長に就任しました。それまで5代続けて親会社からの出向で社長が選ばれてきた中で、私は当社初のプロパー出身の社長になります。前任の社長が「これからは自分たちの中で社長を育てたい」と強く思ってくださっていて、その想いを受け継ぐかたちでお声がけいただきました。

もともと35歳ごろから「自分が社長だったらどうするか」と日々シミュレーションしていたので、42歳で打診を受けたときには「もういつでも準備できています」という心境でした。

私は「同じことを繰り返すよりも、新しいことに挑戦したい」という性格で、常に外に出て人と会ったり、社員と対話を重ねたりするスタイルを大事にしています。社長室も撤廃し、特定の席にも座りません。製造業というと堅いイメージがあるかもしれませんが、それを少しずつ変えていきたいと考えています。

経営において最も大切にしているのは、社員が「この会社に入ってよかった」と心から思えるような環境をつくることです。だからこそ、社長就任後には自ら経営理念を見直し、「楽しむ仕事が未来を変える」という理念を掲げました。社員が楽しく前向きに働ける状態をつくることが、結果的に会社の成長につながると信じています。

インタビューに答える山下様の様子

見えない「本音」と向き合うための模索

— ポテンシャルクラウド導入前、どのような組織課題を感じていましたか

実は、社長就任当初から一貫して「社員のモチベーションを高めたい」という思いを強く持っていました。というのも、自分自身が「月曜の朝に会社に行きたくないような職場にはしたくない」とずっと思っていたからです。けれど現実には、出社してくる社員がどこか下を向いていたり、表情が暗かったりする姿を見ることも多く、これではいけないと感じていました。

そのため、幹部を集めてミーティングをしたり、食事に行ったり、個人面談も取り入れたりと、社員の声を聞く努力は続けてきたんですが、やはり対面の場では、なかなか本音までは出てこないものだなと感じていました。「みんなは実際どう思ってるのか」という部分が見えづらく、特に社長になって5年が過ぎた頃、その「見えなさ」に対して迷いが出てきました。

もうひとつ課題だったのが、人事評価制度です。以前は制度があってないような状態で、評価項目も古いままでした。特段、人事考課面談を行わず、所属長が評点をつけて、最終的に私が目を通すという仕組みでした。

これでは上司と部下の関係性も築けないし、「こういう社員になってほしい」という想いも伝わりません。それに何より、「今、社員はどんな気持ちで働いているのか」が見えてこない状態をなんとかしたいと思っていました。

そんな中で、西日本シティ銀行様からイジゲングループのポテンシャルクラウドというサービスを紹介いただきました。イジゲングループの方から「ポテンシャルクラウドでは、組織に関する質問設計を80問くらい用意しており、社員の本音が可視化できます」と聞いたとき、「まさにそれがしたかった!」と即決でした。

インタビューに答える山下様の様子

「答え合わせ」から始まった組織改善
社員の本音を起点に進めた変化と手応え

— ポテンシャルクラウドの結果と、その後取り組まれていることについて教えてください

結果を見たとき、「やってきたことは間違っていなかった」と思える部分が多く、自分の直感とほぼ一致していました。正直、少しショックを受ける覚悟もしていたんですが、結果としては「答え合わせ」ができ、自信にもなりました。

アンケート結果を細かく見ることで、社員たちが「このあたりに不安を感じている」「ここに期待してくれている」といった具体的な傾向が見えてきて、そこからお金をかけずともすぐに取り組める改善アクションを打つことができました。

ポテンシャルクラウド結果のデモ画面

まず取り組んだのは、アンケート結果の全体共有です。ポテンシャルクラウドの結果は、私自身が目を通して内容を整理し、全体傾向を社員に伝えるようにしました。特に良い評価が出ていた「社内の風土が良い」という声については、「もっと伸ばしていこう」とポジティブなメッセージを発信しました。せっかくの強みをそのままにせず、組織全体で意識的に育てていくことが大切だと考えていたからです。

ほかにも、DXや業務改善に対する意欲の高さも確認でき、DX推進の大きな後押しにもなりました。もともと私自身、昔のやり方にこだわらず、どんどん改善していきたいという思いがあり、DXには力を入れてきたんですが、社員がそれをどう受け止めているのか、不安な部分もありました。でも、ポテンシャルクラウドの結果を見て、「もっと業務を改善したい」「新しいツールを取り入れて働きやすくしたい」という声が多く、これにはすごく背中を押された感覚がありました。

その一環として、2025年度からは「会議ゼロ」を掲げ、日々の情報共有をもっと効率的にしながら、社員が「前向きに次のことを考える時間」をつくれるような働き方にシフトしています。さらに、RPAなどのツールも導入して、ルーティン業務の自動化と効率化を進めています。私自身も、PCを立ち上げずスマホだけで仕事を完結させるスタイルを実践しています。「トップがやるからみんなもやる」という空気感をつくっていくのも、大事な役割だと思っています。

あわせて、人事評価制度の見直しにも着手しました。制度そのものを一から見直し、今では社員が自己評価シートを記入し、それをもとに上司と面談を行う形式に変更しました。
これは、評価を査定のためだけに使うのではなく、成長のための対話の場にしたいという想いがあったからです。また、ポテンシャルクラウドを通じて「人との関わり」や「信頼関係」の重要性が見えたことも背景にあります。

実践した結果、もちろん改善の余地は今後もありますが、管理職とスタッフの間でのコミュニケーションが少しずつ深まってきたと感じていますし、組織の雰囲気も確実に良くなってきていると感じています。

ポテンシャルクラウド導入後の効果について答える山下様の様子

「楽しむ仕事が未来を変える」
社員とその家族、社会全体へ広がるビジョン

— イジゲングループとの取り組みを踏まえ、今後の展望について教えてください

私が目指すのは、「楽しむ仕事が未来を変える」という経営理念を実現していくことです。その根底にあるのは、「社員一人ひとりに、人生そのものを楽しんでほしい」という想いで、仕事は人生の大きな時間を占めるものだからこそ、「毎日が楽しい」「住倉鋼材に入社してよかった」と感じられるような職場でありたいと考えています。

売上を何倍にしたいとか、会社の規模をどんどん大きくしていきたいという方向よりも、社員50人弱という全員の顔と名前がわかる規模感だからこそ、一人ひとりにしっかり寄り添える会社を目指しています。

また、「楽しむ仕事が未来を変える」の「未来」というのは、単に会社の未来だけではありません。社員自身の人生、そしてその家族、子どもたち、もっと言えば地域や社会全体にもつながっていくものだと捉えています。

たとえば、お父さんが毎日楽しく働いて、家で笑っていると子どもたちは「大人っていいな」「お父さんってかっこいいな」って感じると思います。そんな風に大人が仕事を楽しんでいる姿を、子どもたちが自然に見られるような社会にしていくために、全力で挑戦し続けます。

さらに今後は、新しい事業への挑戦も視野に入れています。たとえば、ロケット業界への参入に関心があり、今はまだ夢のような話かもしれませんが、「次に何かおもしろいことをやりたい」という気持ちは常に持ち続けています。

常に変化していきたいので、3ヶ月後にはまた全く違うことを考えてるかもしれませんが、それくらい柔軟でチャレンジングな会社でありたいと思っています。

今後の展望についてお話する山下様の様子

編集後記

取材を通して印象的だったのは、山下社長の言葉の端々ににじむ「社員へのまっすぐな思い」と「変化を恐れず挑戦し続ける姿勢」でした。製造業という堅実な業界において、カフェのようなオフィスづくりや、会議ゼロ・DX推進・人事制度の再構築など、次々と革新的な取り組みを実行に移していく柔軟さとスピード感。それらすべての根底には、「社員一人ひとりに、人生そのものを楽しんでほしい」という揺るぎない信念がありました。

「ポテンシャルクラウド」は、経営者の想いと社員の声をつなぐ「対話のきっかけ」になれる可能性を持つサービスだと実感する取材でもありました。これからも、「楽しむ仕事が未来を変える」という理念のもと、山下社長と住倉鋼材のみなさんがどんな未来を切り拓いていかれるのか、私たちも心から楽しみにしています。

事業内容とビジョン

鉄を「曲げる・溶接する・組み立てる」加工を強みに、建築・土木向け製品を手がける鋼材加工メーカー。社員が楽しく働ける環境づくりと、変化を恐れない挑戦を大切に、次代のモノづくりに挑まれています。

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