ニュースリリース

ONE OITA 経営指標見える化 伴走支援プログラム2024 成果発表会

作成者: イジゲングループ|2025年01月30日

NEWS

2025.1.30

登壇・イベント情報

ONE OITA 経営指標見える化 伴走支援プログラム2024 成果発表会

開催場所:コンパルホール
開催日 :2025年1月22日(水)

神は細部に宿る。
細部にこだわってこそ、作品の本質が決まる。ドイツの建築家ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエの言葉です。小さな部品や意匠にさえも妥協を許さず、こだわりを貫くことで、最終的に素晴らしいものが出来上がる。建築に限らず、素晴らしいとされているものは、すべからく“そう”だと言えるでしょう。データはまさに細部(ディティール)。見える化の神も細部に宿っているのだと、本事業を通じて感じさせられた。であるのであれば、見える化を為すべく、“見せる化”にも高い意識で取り組んでいただきたい。大団円を迎えたONE OITAに、そう思うのでした。

2024年7月16日に幕を開けた『経営指標見える化伴走支援プログラム2024』。本プログラムは、業務の効率化や売上向上を目指す県内企業を本質的に支援できる“伴走支援パートナー”を育成するもの。データ分析の手法や課題の見える化といった、“数字で語れる人を増やす”ことを目的に、全5回にわたり講義やワークショップなどで知識を身につけてきた参加者たち。最終回となる今回は、伴走支援パートナーの内6社が取り組んできた、経営指標見える化の成果発表が行われた。

冒頭の開会あいさつでは、本プログラム運営事務局であるイジゲングループ株式会社の冨部氏より、「今回16社・38名の方々に伴走支援パートナーとして参加していただきました。今日の発表会が新たな気づきや出会いのきっかけになり、今後のチャレンジの原動力につながることを期待しています」という言葉があった。毎回実施してきた伴⾛⽀援者のDX支援スキルをスコアリングで可視化する『DXスキルサーベイ』の総合評価が、全項目で向上したことも発表され、「県内事業のデジタル化を次のステップへと引き上げる可能性を感じられる結果である」と評価。現時点でサポートを実践している支援先事業者のみならず、他のクライアントや自社の社員などにもアウトプットすることで、大分県のデジタル化が加速することに期待する。

次に、主催の大分県商工観光労働部DX推進課課長・大和泉氏より、「人口減少に伴う人材不足から、事業のDX化はさらに必要になってきます。そんな中、伴走支援パートナーは地域の中小企業を支える重要な存在。このプロジェクトを機に地域企業との連携がますます深まり、企業のデータ活用を加速させ、地域経済の活性化に貢献してもらえるものと確信しています」と、今後の伴走支援パートナーの活躍に期待を込めた言葉がおくられた。

成果発表会本編では、6社がこれまでの課題や管理方法を踏まえ、見える化に取り組んだ成果と今後の展望を発表した(発表内容の詳細は後半にて記載)。
本プログラムを通じて伴走支援パートナーとしての成長が感じられる発表ばかりだった。事業者が抱えるさまざまな課題に向き合いながら、“見える化”を実践することでそれぞれの解決策や展望が見えてきたようだ。それぞれの発表を受け、5名のアドバイザー(※1)からは今後の具体的なアドバイスも送られた。

※1 アドバイザーのご紹介(お名前 五十音順)
・板井 悟史 氏(デジタルバンク株式会社 代表取締役社長)
・小畑 陽一 氏(株式会社Uncover Truth 取締役COO)
・高嶋 和代 氏(一般社団法人DST 事務局長)
・平野 敬洋 氏(ハイパーネットワーク社会研究所 主幹研究員)
・宮崎 ひび 氏(イジゲングループ株式会社 執行役員 テックリード)

閉会あいさつでは、大分県商工観光労働部DX推進課主査・佐藤真純氏より、「研修で得た知識はもちろんですが、事業者支援に対する責任感や課題解決に対する熱意があってこそ、ここまでの成果が出せた」という言葉にもあるように、伴走支援パートナーが事業者の悩みや思いに寄り添いながら、ともに課題解決を目指した結果があらわれたようだ。

今回の成果発表会は、まだ通過点に過ぎない。本プログラムの目的である「数字で語れる人を増やす」を果たすためにさらなる知見を深める伴走支援パートナーとともに、ひとつでも多くの県内事業者の課題が解決することで、大分県の発展にもつながるはずだ。

6社の発表内容のご紹介

1. 伴走支援パートナー:大分銀行
  テーマ:営業戦略の見える化 〜ターゲット選定に蓄積データを活用〜

2. 伴走支援パートナー:株式会社古城
  テーマ:経営指標の効率的な見える化 〜紙からの脱却による拠点間の連携強化〜

3. 伴走支援パートナー:大分信用金庫
  テーマ:データドリブン経営のためのトイトイトルテの強みの見える化

4. 伴走支援パートナー:豊後高田商工会議所
  テーマ:テーマ現在地の見える化 〜見えない不安をデータで解消〜

5. 伴走支援パートナー:豊和銀行
  テーマ:経営状態の見える化 〜従業員の利益意識向上を目指して〜

6. 伴走支援パートナー:津久見商工会議所
  テーマ:経営判断に必要なデータの見える化 〜事業承継のその先へ〜

1. テーマ:営業戦略の見える化  〜ターゲット選定に蓄積データを活用〜

伴走支援パートナー:大分銀行 支援先事業者:西ノ州環境株式会社

● これまでの経営指標の管理方法・課題
環境管理・保全など多彩な事業を展開している西ノ州環境株式会社。そのひとつであるウォーターサーバー事業に焦点をあてたサポートを実践。これまではアクシスデータで各社員が顧客情報の入力や管理を実施していため、蓄積情報に濃淡が発生している状況だった。蓄積情報を使った具体的な分析は行っておらず、せっかくのデータを営業戦略に活用できていなかった。

● 見える化のために実践したこと
DX推進を加速させたいという思いは強かったため、これまで蓄積してきたデータを活用しながら顧客データを見える化し、ターゲットの選定へと結びつけた。BIツール『Looker Studio』を活用し、月別売上、顧客の属性、エリアなどをダッシュボード上で確認できるように。データの色分けなど視覚的なわかりやすさも工夫を凝らした。

● 今後の経営にどう活かしていくか
売上や新規顧客数が増加する時期、顧客の居住エリア、契約継続率などが明確化したことで、売上増が見込めるターゲットが見えてきた。見える化によって営業活動や配送作業を効率化する方法がより具体的になったため、ターゲットを絞った経営戦略を実践する。またこのプロジェクトを通じてDXの重要性が社内に周知されたことで、DX人材の新規採用や社内人材育成に取り組もうという意識が高まった。

2. テーマ:経営指標の効率的な見える化  〜紙からの脱却による 拠点間の連携強化〜

伴走支援パートナー:株式会社古城 支援先事業者:日本電気保安株式会社

● これまでの経営指標の管理方法・課題
法人をメインに電気保安管理や点検、保守設備工事などを自社一貫で行っている日本電気保安株式会社。県内に点在する各事業所からの情報は、未だに全て紙で提出されているため、情報のデータ化ができていなかった。そのため全社での情報共有が難しく、顧客対応も複雑に。情報収集や分析といった煩雑な作業を行う担当は1名だけと属人的になっており、代わりがきかない状況。営業戦略をたてるにも、まず分析が困難な状況だった。

● 見える化のために実践したこと
これまで蓄積してきたExcelデータを、BIツール『Looker Studio』を使って整理し可視化。事業所ごとの売上推移やエリア別の売上推移のほか、担当者ごとの業務量や売り上げに対する適正化の判断などをダッシュボード上で確認できるようにした。登録段階からツールを使ってデータ化することで、集計作業の省力化とリアルタイムでの可視化を可能にすることを目標にしている。

● 今後の経営にどう活かしていくか
各現場でインプットしてもらうため、データ入力といった業務を簡単な仕組みにすることで、DXに対して苦手意識を持つ従業員のリテラシー向上を図る必要がある。既存のシステムを使いながら慣れてもらい、積極的に情報共有ができる仕組みを確立しながら、まずは現場で情報を有効に活用できる状況にしていきたいと話した。

3. テーマ:データドリブン経営のためのトイトイトルテの強みの見える化

伴走支援パートナー:大分信用金庫 支援先事業者:株式会社Tridente

● これまでの経営指標の管理方法・課題
大分市内にある洋菓子の販売・卸売店『トイトイトルテ』。販売商品や売上数量の管理はairレジで行っていたが、レジを経由していない商品の販売根拠(なぜ売れているのか)の把握はされておらず、販売戦略につながっていないことが課題。商品ごとの細かい利益率の計算もできていなかった。強い商品力を持つ既存商品をいかして、データドリブンな経営が必要だと考えた。

● 見える化のために実践したこと
日別の売上や、商品カテゴリ別の購入推移を見える化し、売上商品の比重を一目でわかるようにすることで、売れ筋商品を把握。さらにセット注文の傾向も見える化し、販売戦略へ結びつける仕組みづくりを実践した。また、時間帯別の売上を見える化することで、欠品を減らして売り上げを最大化する体制を整える。人員数や製造の最適なタイミングもわかり、効率的なスケジュール管理が可能になった。

● 今後の経営にどう活かしていくか
平日の売上が少ない、購入理由が不明、経営管理の属人化、コスパの不明瞭さなど、さまざまな課題が見えたことで、改めて現在地を把握できた。これらの課題を解決するために必要なデータも見えてきて、さらに強固な経営戦略が打ち出せそう。従業員の労働時間や販売数などをデータ化することで会社への貢献度を明確にし、それに応じた待遇改善によって“やりがいの創出”にもつなげる。

4. テーマ:現在地の見える化  〜見えない不安をデータで解消〜

伴走支援パートナー:豊後高田商工会議所 支援先事業者:non design office株式会社

● これまでの経営指標の管理方法・課題
建築・設計事務所 non design office株式会社が地域活性化を目標に手がけている飲食・宿泊事業『miwaBASE』のデータ分析をサポート。これまではPOSレジでデータを収集。売上情報等は把握できるが、来客人数や男女比などの収集は機能上できなかった。広報はInstagramを活用し、閲覧者の男女比や地域、年齢層などは収集できていたが管理体制が整っていなかった。カフェでのオーダーは手書きで、後にExcelで手入力。宿泊者予約状況はiPhoneカレンダーで管理しながら宿泊人数はExcelで手入力するなど、情報収集方法にばらつきがあった。

● 見える化のために実践したこと
現時点で収集できているデータを活用し、ダッシュボードを作成。月別売り上げ、購入数、商品別売上、客単価、時間別の利用者数と売上などのデータをグラフやランキング形式で視覚的にわかりやすくまとめた。『Looker Studio』を使ってオーダー伝票や宿泊者台帳のデータと統合することで、必要なデータを今まで以上に詳しく、素早く把握できるようになった。

● 今後の経営にどう活かしていくか
収集データを全て可視化し、スタッフ全員で共有することで自分事として受け止めてもらい、今後の行動計画に一丸となって取り組むことができる。データの蓄積によって閑散期の要因を探りながら、その時期の対策も検討できそう。客単価が見える化されたことで、さらに上げるためのメニュー考案など具体的な経営戦略をたてていきたい。支援先の創業目的のひとつである地域活性化の実現に向けて、経営循環の見える化を図りながら稼ぐ力をつけていきたい。

5. テーマ:経営状態の見える化  〜従業員の利益意識向上を目指して〜

伴走支援パートナー:豊和銀行 支援先事業者:Life is good株式会社

● これまでの経営指標の管理方法・課題
住宅型有料老人ホーム、デイサービス、児童発達支援・放課後等デイサービスを展開しているLife is good株式会社。これまでは毎月の介護報酬データをExcelで集計・管理していて、最終的なデータチェックなどは社長が行っていたため、繁忙期は数値入力作業が困難。従業員に会社の収益情報の共有もできず、そもそも会社の収益について意識が向いていない状態だった。

● 見える化のために実践したこと
介護度別の介護報酬利用率の比較と、入居者別の介護報酬利用率の比較、それぞれをダッシュボードで見える化。これによって、提供するべきサービスの余力が漠然としたものではなくしっかり確認ができるようになり、一人ひとりが会社の収益に貢献できる仕組みができあがった。介護報酬の利用状況を正しく判定するためには、他のサービスや施設の利用を把握する必要があることも課題としてわかった。

● 今後の経営にどう活かしていくか
会社の経営状況を数字やグラフを使って見える化されたことで、誰が見てもわかりやすいデータにできた。これによって収益に対して全員の意識が高まったことで、会社としての一体感が生まれ、利用者に対するサービス向上にもつなげていけそう。今後はこれらのデータをもとに経営判断ができるように、地域の金融機関としてもサポートを続けていきたい。

6. テーマ:経営判断に必要なデータの見える化  〜事業承継のその先へ〜

伴走支援パートナー:津久見商工会議所 支援先事業者:株式会社浜市場

● これまでの経営指標の管理方法・課題
津久見市の郷土料理『小アジのすり身天ぷら』の製造・販売をしている『株式会社浜市場』。店舗販売をメインに地方発送も行いながら、ECチャネルを活用した全国展開を目指している。社長自らレジ締め作業、売上データのExcelへの手入力をしており、月に約36時間を要していた。店舗販売品には一部個人取引があり、データの正確性に欠けるという問題点も生じていた。経営に関する全業務を代表が一人で担っている点も大きな課題。

● 見える化のために実践したこと
経験や直感に基づいた経営判断をしていたため、データに基づく客観的分析が必要。このままでは事業承継への不安も大きいため、『Looker Studio』を使って過去の売上データを部門別、曜日別で比較分析できるようにした。その結果、売上推移や曜日ごとの販売傾向などの観点から事業を分析でき、データに基づいた意思決定により業務効率が向上。効果的な販売戦略を立案できる可能性も見えてきた。

● 今後の経営にどう活かしていくか
さらなるデータ収集によって、基盤の構築と分析の深化を図りながら、組織全体でデータ活用意識の向上を目指す。そのために短期・中長期的目標をそれぞれ設定し、経営指標となるデータを収集しやすい環境を整備しながら、データに基づいた商品開発や経営戦略を考えていく。データをしっかり活用できる人材の育成も検討していきたい。将来的に必ず訪れる事業承継に向けて、スムーズに後継者へバトンタッチできる体制も整えていく。

最後に

『ONE OITA 経営指標見える化 伴走支援プログラム2024』には、16社・38名の伴走支援パートナーが参加し、成果発表会には58名もの方が来場した。各企業はそれぞれの課題と向き合いながら、見える化の実践に取り組み、その過程で得た気づきや知見は、企業経営の現場だけでなく、地域の発展にも大きく寄与するだろう。

見える化は単なる手法ではない。経営の意思決定に活かすことでこそ意味を持ち、継続的に成果を生み出すことが求められる。今後も、見える化の促進を通じて、企業が課題をいち早く把握し、本質的な経営戦略を計画・実行できる企業を増やしていく。

取材・原稿:イジゲングループ株式会社、株式会社Uca

※本記事は、ONE OITAのWEBサイトに掲載されている「ONE OITA 経営指標見える化 伴走支援プログラム2024 成果発表会」のレポートを転載しております

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