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2024.9.3
登壇・イベント情報
【ONE OITA】第2回イベントレポート 「顧客の創造」に必要な“見える化”の手法を学ぶ
ヒマラヤ山脈周辺に住むシェルパは、荷物の運搬や道案内、技術サポートを生業としている。アルピニストの偉業の影には、彼らの存在が欠かせない。我々の生活は様々なサポートのもとに成り立っている。1人でなど生きていけるはずがない。サポートとひとことで言っても、目的や人によって在り方は千差万別。
『ONE OITA 経営指標見える化伴走支援プログラム』は、県内事業者の取り組みをサポートする伴走支援パートナーを成長させることが目的だ。パートナーは、事業者にとって、“先導”であり、“船頭”であり、“扇動する者”であるべきだ。そのためには、知識と技術とメンタリティが不可欠。それを1人で背負い込む必要はない。ONE OITAという場所があり、仲間がいて、サポートをサポートするのだから。
8月23日に開催されたONE OITA 第2回は、経営指標を⾒える化したい事業者をサポートする伴⾛⽀援パートナーの方々を対象した研修を実施。ワークショップを取り入れながら「経営支援に活用できる数値と施策」の見える化について学んだ。
講師の株式会社UNCOVER TRUTH 取締役COO・小畑陽一氏は、2014年に取締役COOとして経営に参画。同社は、事業戦略を深く理解したうえで、データ収集、KPI設計、施策計画・実行・改善PDCAなど多彩なサポートによって伴走しながら事業目標達成に向かうCRMエージェンシーである。まさに、本事業が目指す「経営指標の見える化」を実現するために、情報コンテンツを提供する側としての役割を実践している企業だ。
経営における数値の見える化
経営における数値の見える化は「強みや伸びしろを見える化することであり、課題がわかれば戦略的に展開していける。伴走支援パートナーであるみなさんのサポートで、企業の底力を見出し、大分県全体の底上げにつなげてほしい」と小畑氏。サポートする一事業者のみならず、その企業を取り巻く地域や大分県といった広い視野をとらえた言葉に、伴走支援パートナーたちも改めて意識を高めているようだった。
事業経営のフレームワークについて、P・F・ドラッカー著「マネジメント基本と原則」の内容を用い、小畑氏から説明。
「企業の目的は顧客の創造」と定義し、結果として利益を生み出さなければならないと小畑氏。達成のために必要な経営の2大要素として「マーケティング」と「イノベーション」をマネジメントし、生産性を向上させる必要があるという。そのためには「事業計画・生産管理・販売管理・人材育成・財務管理」の“見える化”が必要(業態によってはこの5つ以外にもあるが、本講義ではこれに限定)。
事業計画や財務管理は経営の中で実践していて、見える化できている企業が多いが、生産管理・販売管理・人材育成は見える化が難しい。しかし、この見方を知ることこそが、今回の経営支援パートナーとしての役割であり、小畑氏は「この見方を知れば、具体的な経営改善の支援ができるのではないか」伴走支援パートナーらに語った。
見える化の一歩は「ファネル」の考え方
今回は、「販売管理」に的を絞り、どんなタイミングで、どんな施策をあてはめればよいのか、答えを導き出す手法として“ファネル”を用いて考えた。
※ファネルとは
直訳すると漏斗(じょうろ)を意味する。マーケティング用語として、広く集客した上で、ふるいにかけられた見込み顧客が、比較・検討、購入へ流れる中で段々と少数になっていくことをいう。その様を図にすると、漏斗で濾した様子に似ていることが所以。
ファネルは、購入(顧客化)に至るまでのプロセスを「認知」「興味・関心」「比較・検討」「購入」という状態で区切る。区切られた各プロセスの対象者数と遷移率を見える化し、KPI化する。
例えば、「10社に売れそう」という商品ができたとする。10社に買ってもらいたいのであれば、30社には営業に行かなければならない。このような判断は、経営の勘と経験で予想をしている企業がほとんどである。
今回は、上記の勘と経験の部分をファネルに当てはめ、数値で明確に管理していこう、という話だ。
さらに、今回は「ダブル・ファネル」という考え方にも踏み込んだ。
ダブル・ファネルとは、新規顧客獲得をマネジメントするためのファネル=売れるまでのプロセス(パーチェス・ファネル)と、既存顧客をマネジメントするためのファネル=売れた後のプロセス(デュアル・ファネル)を組み合わせたもの。デュアル・ファネルは、「継続」「紹介」「発信」という状態で区切る。
経営において、新規顧客をつくることはもちろん重要だ。しかし、既存顧客のリピートにも目を向けなければならない。どの業界・業種でも顧客数の限界があるため、いかにリピーターが多いか、高い頻度で購入してくれるかなどを考える必要がある。そのリピーター数まで管理(見える化)できるようになると経営の生産性が高まっていく。
このファネルに、KPI(目標達成までの各プロセスにおける達成度合いを計測・評価するための指標)を組み合わせることで、精度の高い見える化が可能に。KPIを使った要素分解によって、自社の努力ではコントロールできない数字も見えてくるため、どの施策に注力するべきかが見えてくる。BtoB、BtoCのいずれにも使える考え方だ。
自身が考えたことをアウトプット
今イベントの事前ワークとして、実際に伴走支援パートナーが普段、事業者に実行している施策をまとめてきてもらった。実際に行なっている施策を書き出してみることで、課題感の見える化ができることがわかり、これをアウトプットとして人に伝える。
小畑氏は「自分が実行している施策を1人で見ても学びにはならない。人に伝える(アウトプット)と確実に学びになる。説明の中で理解が浅い部分が分かる。そして、他の人が実行している内容を聞き、気づきを得られる」とアウトプットをする重要性を説明。
また、施策を実行する際には目的から整理すると事業者は筋道が立ち、スムーズに施策を実行できることも解説。手段から考えてしまうと、「これは何のためにしているのか」と目的迷子になってしまう。目的から整理することで、不要な部分を削ぎ、必要な部分を研ぎ澄まそうと明確になることを伴走支援パートナーに伝えた。
実際の事業者をイメージしたワークショップを実施
講義後半では、実際に今後、伴走支援パートナーたちがサポートする事業者を例に挙げたワークショップを実施。
発表では、事業者のリアルな課題が次々と挙げられた。
「若い客を呼び込むならキャッシュレスも積極的に導入するべき」「導線に問題がありそうだ」「昔ながらの対面販売の強みを生かすため、スタッフ全員のスキルアップが必要なのでは」「客単価をあげるために新商品を開発してみては」など、具体的に支援先を想定して解決策につながる意見が活発に出された。
最後に、小畑氏から「自分のこととなるとわからなくなる事業者がほとんど。経営において、進行状況の見える化は難しいが、できるかできないかで大きな分かれ道となる。今日、講義をしたファネル・KPI・施策をうまく活用しながら経営管理の見える化をすることで、経営の健全性を向上させることができる」とまとめられた。
伴走支援パートナーが関わることで、事業者だけでは気づけない第三者の視点をふまえて課題解決へと導ける。“どこにボトルネックがあるか”を知るきっかけづくりを提供する存在として、伴走支援パートナーは事業者にとって大きな存在になるはずだ。
今回のイベントについて、伴走支援パートナー様へインタビューを実施いたしましたので、ぜひご覧ください(※お名前 五十音順)
取材・原稿:イジゲングループ株式会社、株式会社Uca
本記事は、ONE OITAのWEBサイトに掲載されている「ONE OITA 第2回イベントレポート」を転載しております
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