支援事例

技術と人で次の100年にさらなる輝きを ― 株式会社森硝子店

作成者: イジゲングループ|2026年06月29日

株式会社森硝子店
代表取締役社長 森 重義 様
1978年11月生まれ

福岡県福岡市出身。専修大学を卒業後、アサガミ株式会社に入社。物流の現場管理、経理、社長室で経験を積み、2007年に株式会社森硝子店を継ぐため入社。「技術と信頼は一朝一夕では築けない」という代々の教えを大切にし、ガラス施工の技術継承と地域社会への貢献に注力。若手社員が描けるキャリアプランの整備や、社員の働きやすい環境づくりに取り組む。

1924年8月に福岡・博多で創業した株式会社森硝子店様は、ガラス施工に特化した会社で、2024年に創業100年を迎えました。JR博多シティ、福岡タワー、福岡PayPayドーム、キャナルシティ博多、九州国立博物館など、福岡を代表するランドマークのガラス施工に数多く携わってきました。

次の100年に向け、社員の皆さまがより働きやすい環境を整えるため、このたびイジゲングループの「ポテンシャルクラウド」を導入いただきました。森硝子店様のビジョンとその想い、それを実現するためのイジゲングループとの取り組み、そして今後の展望について、代表取締役社長の森重義様と取締役総務部長の佐々木様にお話を伺いました。

地域に根ざしたガラス施工への想い

— 森硝子店様が大切にされている想いや考え方を教えてください

森社長:私たち森硝子店は、ガラスを通じて暮らしの困りごとを解決し、地域社会に貢献することを大切にしています。例えば、ガラスの割れ替えや隙間風の防止、古い建物の建付けの調整など、生活に密着した問題を解決することが私たちの使命です。また、ガラス施工の技術は大きく変わらないからこそ、その技術を次世代にしっかりと伝えていくことが重要だと考えています。

森硝子店は、私が4代目として継いでいますが、「技術と信頼は一朝一夕では築けない」という考え方を受け継いでいます。例えば、ガラス一枚の交換であっても、迅速に対応し、お客様の信頼を得るという姿勢は、創業当初から変わりません。


— 森社長はもともと会社を継ぐつもりはなかったと伺いましたが、なぜ継ぐことになったのでしょうか

森社長:私が大学を卒業する頃は就職氷河期で、就職活動にかなり苦戦しました。父の勧めもあり、父の後輩が経営する物流関連の会社(アサガミ株式会社)に入社しました。そこでは5年間勤務し、最初は倉庫や配送センターでの現場管理、その後は経理、最後は秘書室で社長から直接、経営者の役割についてご指導いただきました。これらの経験を通じて、次第に森硝子店を継ぐ意識が芽生えました。特に、現場で働く方々の大変さや、経理で学んだ数字に基づく経営の大切さは今でも役に立っています。

森硝子店に戻って数年後、リーマンショックの影響で社員の方々に十分な賞与が払えない事態に陥り、社員とのコミュニケーションに非常に苦労しました。社長の息子という立場から、社員たちからは反発を受け、「なぜ賞与を減給するのか」をきちんと説明しないと信頼を失うと痛感しました。そこで、まずは数字を使って経営の状況を説明し、理解してもらう努力を重ねました。

この経験を通じて、「信頼される社長」であるためには、相手に納得してもらえる説明が必要だと学びました。また、経営がうまくいっているときほど、驕らずに謙虚でいることの大切さも痛感し、これを忘れないようにしています。

社員の声を拾い上げた可視化の効果

— 森硝子店様がイジゲングループの「ポテンシャルクラウド」を導入された背景やその結果などについて教えてください

森社長:ポテンシャルクラウドを導入した背景には、大きく2つの課題がありました。1つ目は若手社員の離職率が高いこと、2つ目は社員間のコミュニケーション不足です。特に若手社員は入社してから2〜3年で辞めてしまうケースが多く、その原因が見えにくい状況でした。

また、これまで社員の本音を聞く機会がほとんどなく、例えば面談をしてもなかなか本音までは引き出せませんでした。そこで、イジゲングループの担当の方から、「まずは現状を可視化しましょう」と提案を受け導入を決めました。

佐々木様:導入後、まず驚いたのは思っていたよりも前向きな意見が多かったことです。正直、もっと厳しい意見が出るかと思っていたので、平均値くらいだと聞いたときはほっとしました。

ただ、細かく見ていくと、部署ごとや世代ごとに課題が浮き彫りになりました。特に、一番課題がないと思っていた部署からの評価が低かったため、個別に話を聞いてみたところ、業務の負担や情報共有の不備があることがわかりました。
その部署に限らず、若手社員の離職率が高い理由も、キャリアプランが見えにくいことや、職人の世界が固すぎてジェネレーションギャップがあることが原因であると可視化できたことは大きかったです。

森社長:一番良かったのは社員の本音が見え、今後の経営の参考になったことです。これまでは感覚でしかわからなかった部分が、数字やコメントで可視化されると、具体的にどこを改善すれば良いのかがはっきりします。

今回のアンケートで見えてきた一番の課題は、若手社員が将来に対して描けるキャリアプランが不足しているということです。今は職人の技術を次世代に伝えることに注力していますが、その過程でどう成長できるのかをはっきり示すことができていません。また、社員間のコミュニケーションの取り方や、情報共有が十分でないことも課題だとわかりました。

今後は、評価制度の見直しや、若手が目指すべき具体的なキャリアパスを提示していきたいと考えています。また、アンケートは1回で終わりではなく、1年後にも再度実施して、改善状況を確認したいと考えています。

変わらぬ技術と変わる働き方で描く次の100年

— 森硝子店様の今後の展望や目標について教えてください

佐々木様:今回、ポテンシャルクラウドを通じて浮き彫りになったのは、若手社員が将来に対して描けるキャリアプランが不足しているという点です。そこで、評価制度の見直しや、具体的なキャリアパスの提示を急いでいます。例えば、ガラス施工の技術を習得した後は、どのように成長できるのか、どんな役職を目指せるのかを明確にしていく予定です。また、技術の伝承だけでなく、若手が積極的に挑戦できるような制度や研修も取り入れたいと思っています。

森様:企業としては、福岡という地域に根ざして100年間やってきました。これからも、地元のお客様が困ったときにすぐ対応できる存在でありたいと思っています。これまでガラス施工を手掛けてきた実績を活かし、地元企業や公共施設との連携をより深めていきたいです。

創業から100年続いてきた技術や信頼を大切にしながら、次の100年も地域の皆さまの暮らしに寄り添っていきたいと考えています。次の100年に向けて、社員とともに成長し続けたいと思っています。 そのためには、技術の継承だけでなく、時代に合わせた変化も必要です。社員一人ひとりが安心して働ける職場をつくり、お客様から信頼され続ける会社でありたい。これからも挑戦を続けていきます。

編集後記

今回のインタビューを通じて、創業から100年続く技術と信頼を守りながらも、時代に合わせて変わり続けようとする森硝子店様の強い想いを感じました。若手社員の育成や働きやすい環境づくり、そして地域社会への貢献など、そのどれもが「次の100年」を見据えた挑戦だということがわかりました。

伝統を大切にしながらも、変化を恐れず進化を続ける姿勢は、私たちにとっても大きな刺激であり、共により良い未来をつくっていく心強いパートナーであると改めて感じています。これからも、森硝子店様と共に歩んでいけることを楽しみにしております。

事業内容とビジョン

1924年8月に福岡・博多で創業されたガラス施工に特化した会社で、福岡を代表するランドマークのガラス施工に数多く携わる。2024年に創業100年を迎え、これからの100年もガラスを通じて暮らしの困りごとを解決していくため、「技術と人で次の100年にさらなる輝きを」というビジョンを掲げる。